ろ過(物理ろ過・化学ろ過・生物ろ過)の仕組みを知ろう|初心者向けレッドビーシュリンプ飼育⑦

▷ろ過の仕組みを知ろう
▷ろ過がレッドビーシュリンプの飼育の成功のカギを握る!

 

ろ過の仕組みを知ることがレッドビーシュリンプの飼育の成功の第一歩です。

 

皆さんは、金魚の水換えで、「水を全部捨てて、新しい水に変えちゃうとよくない」という話を聞いたことはありませんか?

 

子どものころは、この意味があまりよく分かりませんでしたが、ろ過の仕組みが理解できるとよく分かります。

アクアリウムにおけるろ過とは何か?

ろ過とは、簡単にいえば水をきれいにすることです。



レッドビーシュリンプは非常に水質に敏感な生物ですので、水質管理をちゃんとやっていくには最低限のろ過の知識は必要になります。

 

また、ろ過の仕組みは、レッドビーシュリンプの飼育だけでなく、その他、アクアリウムにおいても共通の知識ですので、知っておくと必ず役に立ちますよ。
では、ろ過について紹介していきます。

 

ろ過には、物理ろ過、化学ろ過(吸着ろ過)、生物ろ過の3種類があります。

 

★枚方えび★
レッドビーシュリンプの飼育には、ろ過を知ることが一番だよ。

 

物理ろ過

物理ろ過を簡易な図で示したもの

物理ろ過のイメージはこんな感じでしょうか?

 

ろ材で汚れをせき止めて、きれいな水を排出するイメージです。

 

物理ろ過は、フィルターという用具を設置するだけで簡単に誰でもできますので、水をきれいにするには一番手っ取り早いですよね。

 

ろ材にはどんどん、汚れがたまっていきますので、ある段階で汚れを受け止めることができなくなってしまいます。

 

そこで、ろ材は定期的に洗浄が必要になってきます。

 

 

ファインマットは自分の好きな大きさに切って使えるマットです。

 

化学ろ過=吸着ろ過

 

化学ろ過(吸着ろ過)は、有害物質を吸着するろ材を使用することで水をきれいにするものです。

 

ろ材の代表的なものに活性炭ゼオライトがあります。

 

活性炭

 

活性炭は水の黄ばみを吸着するろ材です。

 

水の黄ばみは、物理ろ過では取り除くことができませんので、化学ろ過が有効です。

 

黄ばみの原因はいろいろありますが、主に、レッドビーシュリンプの排泄物もしくは流木のエキスです。

 

ただ、私の経験上、レッドビーシュリンプの排泄物で黄ばみが多く出てくることはないと感じています。

 

水槽に流木があるのであれば、それが原因であることが多いのではないかと思います。

 

活性炭は黄ばみはとれますが、アンモニアは吸着できないという欠点があります。

 

ゼオライト

 

ゼオライトは様々な物質を吸着するのですが、アクアリウムでいうとなんといってもアンモニアを吸着するという特徴があります。

 

アンモニアのレッドビーシュリンプへの有害性については、次の生物ろ過で詳しく紹介します。

 

 

生物ろ過

 

生物ろ過は、生物(=バクテリア)の力で水をきれいにするろ過方法です。

 

実は、この生物ろ過がアクアリウムにおいても、レッドビーシュリンプの飼育においても最も重要なろ過です。

 

水槽内でバクテリアを繁殖させることが、レッドビーシュリンプの飼育のための水をつくるといっても過言ではありません。

 

★枚方えび★
バクテリアが繁殖していない状況では、レッドビーシュリンプの飼育はうまくいかないよ。

水槽内ので生物ろ過のサイクル

ろ過サイクルの仕組みを簡易な図で示したもの

 

上の図がろ過のサイクルです。

 

第1段階として、エビの排泄物やエサの残りは、水槽の中でアンモニアを発生させます。

 

また、栄養系ソイルを使用した場合、立上げ直後の水槽も大量のアンモニアが発生します。

 

このアンモニアはレッドビーシュリンプにとって、とても有害な物質です。

 

この強烈な有毒性のあるアンモニアの毒性を低下させてくれる生物がバクテリアです。

 

バクテリアが水槽内で繁殖していくと、より毒性の弱い亜硝酸→硝酸塩に変化していくわけです。

 

要するに、レッドビーシュリンプを飼育する水つくりとは、バクテリアを繁殖させることによって、発生したアンモニアを硝酸塩にまで変化させてくれる水槽の環境をつくることを意味します。

 

硝酸塩にまで変化する水槽内の環境ができれば、レッドビーシュリンプを水槽に投入できます!

 

とはいっても、硝酸塩にまったく毒性がないわけではありません。

 

硝酸塩が蓄積した水槽は、レッドビーシュリンプにとってよくありません。

 

しかし、生物ろ過においては、硝酸塩を分解することはできませんので、最後は、水槽水の水替えによって硝酸塩を取り除くことになります。

 

★枚方えび★
バクテリアを繁殖させることが、レッドビーシュリンプの飼育の成功の秘訣だよ。

 

さきほどの金魚の水換えの話で、「すべての水を捨ててしまっては金魚によくない」というのは、結局、すべての水を捨ててしまうとバクテリアも捨ててしまうことになり生物ろ過が機能しなくなるということなんですね。

水質テスターを利用しよう

 

アンモニアが分解されるまでバクテリアを繁殖させるには1日、2日という短期間ではできません。

 

1~2か月の時間をかけて、生物ろ過サイクルができた水をつくっていくことになります。

 

では、どうすれば、バクテリアが繁殖した水槽かどうかが分かるのか?

 

慣れてくれば、水槽を観察することでいろいろ分かることもありますが、初心者のかたはやっぱり水質テスターで確認するのが一番でしょう。

 

まずは、とにかく水槽内からアンモニアが除去できているかが一番重要です。

 

 

また、亜硝酸、硝酸塩のテスターもあります。

 

【亜硝酸】

 

 

【硝酸塩】

セラ NO3 テスト
created by Rinker

また、アンモニア、硝酸塩、亜硝酸がセットになった水質テスターもあります。
バイコム スターターテストキット(アンモニア・亜硝酸・硝酸)各3本入り
created by Rinker

 

一般的に、紙製である試験紙よりも、液体の試験液のほうが精度が高いですが、価格も高くなっていますよ。

 

まとめ

 

ろ過の仕組みは分かりましたか?

 

種類は違いますが、水をきれいにするという意味では目的は同じです。

 

ろ過の状態を管理できれば、レッドビーシュリンプの飼育の成功に近づけます。

 

特に生物ろ過は非常に重要ですが、バクテリアが目に見えるわけではないので経験も必要になってきます。

 

▶ろ過の種類は物理ろ過・化学ろ過・生物ろ過の3種類
▶その中でも生物ろ過は非常に重要
▶生物ろ過のカギを握るのがバクテリア
▶レッドビーシュリンプの水つくりとは、バクテリアを育てること