▷TDSを測定する意味はある?
TDSとは何だろう?
TDSは、「Total Dissolved Solids」の略で、総溶解固形物を意味します。
つまり水中に溶け込んでいる固形物がどのくらいかを測定するわけですが、その測定する機械を「TDSメーター」といい、単位は「ppm」を使用します。
そして、このppmの値が高ければ高いほど、水中に溶けている固形物が多いということになります。
水中に溶けている固形物とは
ご存じのとおり、水道水には様々な物質が溶け込んでいます。
浄水器のホームページなんかを見ると、水道水には残留塩素、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム)、有機塩素化合物 (総トリハロメタン・テトラクロロエチレンなど) 、農薬類 (CAT) 、溶解性鉛など国の基準を満たす範囲内で溶け込んでいるようです。
いわゆる「カルキ抜き」は、上記の溶解固形物のなかで残留塩素を除去できる薬剤ということになりますが、カルキ抜きだけではその他の固形物は残ってしまうということになります。
家庭用の浄水器は、溶解固形物の中でも主にミネラル類を残して、他の固形物を除去する働きがあります。
余談ですが、ミネラル類まで除去された水は、全くおいしい味がしません。
そして、このミネラル類の濃度が高い水を「硬水」、低い水を「軟水」といいます。
飲み水としてのミネラルウォーターは数多く売られていますが、日本製のミネラルウォーターは「軟水」が多く、ヨーロッパのミネラルウォーターは「硬水」であることが多いようです。
水中の溶解固形物は有害なのか?
TDSは、「水中の不純物の濃度」といわれたりもしますが、これは全く固形物が解けていない「純水」に対しての「固形物=不純物」と表現と思ってください。
「不純物=有害」というイメージがあるかもしれませんが、水中に溶けている個体すべてがレッドビーシュリンプにとって有害というわけではありません。
人間と同じくミネラル類はレッドビーシュリンプにとって必要ですし、カルシウムなどもレッドビーシュリンプには必要です。
よって、TDS数値が高いから、低いからという理由で、レッドビーシュリンプにとって良い悪いの判断はできないという結論になります。
というのも、TDSの数値は水中の固形物の量は判断できますが、何が溶けているかまでは判断できないため、数値だけではあまり意味をなさないからです。
レッドビーシュリンプの飼育で、TDSを測定する意味はあるのか?
TDSは固形物が溶けている濃度を示すものですから、レッドビーシュリンプにとって好ましいミネラル類やカルシウム類かもしれませんし、飼育水の汚れによる数値かもしれませんし、その割合さえ不明です。
だから、TDSの数値を測定したところで、やはりそれだけではあまり意味がないと思います。
TDSを測定し、水質管理をするためにはRO水を導入した場合にのみ意味が出てきます。
RO水とは固形物の溶けていない「純水」のことです(純粋にはRO水以外にも「イオン交換水」なども純水にあたりますが、ここではややこしいのでRO水=純水と記載しています。)。
固形物がゼロ、もしくは限りなくゼロに近い水をRO水といい、TDSの数値もゼロとなります。
もし、皆さんがRO水を導入したいと考えているのであればTDS数値を測定して水質管理をする必要があるでしょう。
もしRO水に興味がある人はこちらの記事をどうぞ。
▷RO水って何?▷レッドビーシュリンプをRO水で飼育するメリットは? レッドビーシュリンプの飼育に使用する水のお話です。 レッドビーシュリンプに限らず、熱帯魚や金魚の飼育でも、飼育水は「水道水[…]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
TDSは数値だけに意味があるわけではないので、カルキを抜いた水道水で飼育している人や家庭用浄水器を利用されている人はそれほど気にすることはありません。
ちなみに、我が家の水道水のTDSは「80~90ppm」、家庭用浄水器だと「70~80ppm」でした。
またRO水を導入する前のレッドビーシュリンプの飼育水のTDSは120ppm前後から300ppmを超えているものまで色々でしたが、どれも元気に育っていましたよ。
▶TDSの数値の大小を比較するだけではあまり意味がない
▶TDS数値の測定が必要なのはRO水を導入してから!