▷レッドビーシュリンプをRO水で飼育するメリットは?
RO水とは何か?
ROは「Reverse Osmosis」=「逆浸透」の頭文字をとったもので、RO水とは逆浸透膜という特殊なフィルターでろ過した水のことをいいます。
このフィルターは、水中のあらゆる不純物を除去してくれる超微細フィルターで、ほとんど水しか通さないすぐれものです。
たとえば、家庭用の浄水器なんかもフィルターを使っていますが、家庭用浄水器で使われているフィルターはミネラルなどは除去せずその他の(人にとって)有害な物質を除去するようになってます。
水中の溶けている物質の量を数値化したものをTDSといいますが、我が家の水道水のTDSは70~80ppmという数値を示しますが、RO水はなんとこの数値がゼロで、数値上は何も溶けていない真水ということになります。
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RO水をそのまま使用するとレッドビーシュリンプは死んでしまう⁉
RO水は不純物のないきれいな水だからレッドビーシュリンプの飼育によいと思われますが、実はRO水をそのまま使用するとレッドビーシュリンプは死んでしまう可能性があります。
これは浸透圧の差が作用し、真水であるRO水がレッドビーシュリンプの体内に入り込む(逆にレッドビーシュリンプの体液が水中に放出される)ことが原因のようです。
よって、RO水はそのまま使うのではなく、レッドビーシュリンプにとって有益と思われるミネラル等の添加剤を添加し,適度なTDS値にしてから使用します。
決してRO水をそのまま使用するようなことは控えましょう。
レッドビーシュリンプをRO水で飼育するメリットは?
冒頭にもお話したとおり、レッドビーシュリンプは水道水や家庭用浄水器の水であっても元気に育ちます。
実際、僕も10年近く家庭用浄水器の水で育ててきましたが、それによってレッドビーシュリンプの調子が悪いと感じたことはありません。
ただ、多くの飼育者が高価な浄水器を買ってまでRO水を使用しているのも事実ですので、ここではRO水を使用するメリットを考えてみたいと思います。
有害な不純物を除去する
家庭用浄水器であっても有害物質を除去できますが、すべての有害物質を除去するわけではありません。
特に、RO水専用の浄水器はコケの原因であるといわれている硝酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩という物質も除去してくれます。
これは水道水や家庭用浄水器ではなかなか難しいようです。
RO水はすべての不純物が除去されていますから、レッドビーシュリンプにとって必要なミネラルも含まれておらず、その点は後から添加剤を加えるということになります。
出来上がった水は、レッドビーシュリンプにとって有害な物質は一切入ってない、必要なミネラルやカルシウムのみが入った理想的な水が作れることになるのです。
安定した水を供給できる
我が家の水道水のTDSは80~90ppmという話をしましたが、これは日によって変化しますし、この80~90ppmに何が含まれているかは分かりません。
その点、RO水の場合は使用する添加剤とその量が同じであれば、常に同一品質の水を供給できることになります。
レッドビーシュリンプは水質に敏感な生き物であることは、レッドビーシュリンプを新たに受け入れる際に「水合わせ」が必要なことからもお分かりいただけるでしょう。
日々の飼育水も安定した品質のものを与えることができれば、レッドビーシュリンプの健康や成長にとっても良いことだと思います。
上級者の飼育環境の再現ができる
レッドビーシュリンプを繁殖させたいのになかなかうまくいかない・・・、エビが死んでしまう・・・なんていう経験をしたことがある人もいるかもしれません。
そんなとき、「ブリーダーや上級者はどんな飼育用品を使って飼育しているんだろう?」と気になりますし、真似したくなるものです。
僕自身も、「〇〇というソイルがいい、△△という添加剤がいい」と聞いていろいろ試してきました。
うまくいくこともあれば、なかなかうまくいかないこともある・・・・
上級者の真似をしてうまくいかない理由の1つに飼育水の違いがあげられると思います。
特に水道水を使っている場合は、地域によってTDS数値もまったく異なりますし、そのほかの環境を真似ても飼育環境の再現は難しいかもしれません。
その点、上級者がRO水を使用しており、「RO水●リットルに△△という添加剤●ミリリットルを添加」して飼育水をつくっているとなれば、飼育水の再現は100%可能です。
そうすれば、その他のフィルター、ソイルなどのアイテムも同じものにすれば限りなく上級者と同じ飼育環境を再現できるでしょう。
ただ、ソイルも同じ種類であってもロットによってまったく異なる性質のものもありますし、日々の飼育によっても状況は変化していきますので完全に再現はできないですが、RO水を使用することによってかなり近づけるのではないでしょうか。
自分好みのオリジナルの飼育水をつくることができる
これは上級者の再現とは逆の発想で、様々な添加剤をつかって自分だけのオリジナル飼育水を作成することができるのもRO水のメリットです。
僕は添加剤を使用してTDS数値を100~120ppmに調整して使っていますが、使う添加剤によって、また使う量によってTDS数値を変化させることができますので、レッドビーシュリンプにとって最もよいと思われる量をいろいろ試してみることができます。
TDSが高い方がいいのか低い方がいいのか・・・なんてことを考えるのもレッドビーシュリンプの飼育の楽しみの一つですね。
RO水のデメリットは?
レッドビーシュリンプにとってRO水を使用することにデメリットを感じることはありません。
普通の水道水で飼育したレッドビーシュリンプの方が丈夫で強いといった話も聞きますが、RO水を使用しているブリーダーさんに話を聞いてもそのようなことは否定されていましたし、僕自身もRO水で飼育していてレッドビーシュリンプが弱くなったという実感はありません。
ただ専用の浄水器が必要ということもあって、導入するにはハードルが高いのも事実です。
浄水器の値段が高い
RO水は逆浸透膜という特殊なフィルターを使用していますので、専用の浄水器が必要になります。
RO水専用の浄水器は非常に効果で価格は3~5万円といったところです。
また、浄水器ですのでメンテナンスも必要で、定期的にフィルターの交換も必要となり、フィルターにも安価ではありません。
⇧これらは代表的なRO水専用浄水器です。
こちらはRO水ではありませんが、シュリンプ専用の浄水器もあり、こちらはRO水浄水器よりも価格は安くなります。
設置場所が必要
デメリットというほどでもありませんが、RO水専用浄水器は家庭用浄水器と比べても思った以上に大きく、何も考えてないと設置場所に困るかもしれません。
★枚方えび★では浄水器を土日しか使用しませんので、普段は目立たないところに保管し、使用するときにだけ運び出してきて屋外で使用しています。
↓屋外での使用や設置、RO水専用浄水器の仕組みなど詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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RO水を作るのに時間がかかる
RO水は浄水器のフィルターを通して作られるのですが、僕の使用しているクロノスレインは4つのフィルターを通しますので、どうしてもRO水ができるまで時間がかかります。
クロノスレインはRO水が1日680リットル作成できるのが売りの商品ですが、これを単純に計算すると1時間で約28リットルといったところです。
また、冬の気温が低いときには量も減るようですので、複数の水槽を持っていて量が必要な場合はそこそこ時間がかかってしまいます。
それでもRO水をためておく場所さえ確保できれば放っておけば時間を経過すると水が出来上がっているので問題はそれほどないでしょう。
捨て水が多い
家庭用の浄水器もそうですが、RO水を作る際にも捨て水が発生します。
しかも、ちゃんと計ったことはありませんが、この捨て水はできたRO水よりも多いのではないかという勢いで出てきます。
だから、この捨て水は別でとっておいて、風呂・トイレ・洗濯などに再利用している人もいるようです。
我が家は捨て水の量があまりに多く、再利用も難しいので捨ててしまっていますが・・・・
まとめ
RO水についてメリット・デメリットを見てきましたが、浄水器の受入れ体制が整っていて、値段さえ我慢できればデメリットはほとんど感じません。
レッドビーシュリンプにとって水は命と同じですから、安定した水を供給するために検討してみてはいかがでしょうか。
▶値段と設置場所が解決できれば導入検討の価値あり!