RO浄水器 クロノスレイン 仕組み・使い方・屋外設置まで徹底解説|レッドビーシュリンプ飼育日記

▷RO浄水器クロノスレインはどんな仕組みになってるの?
▷クロノスレインの具体的な設置方法と使い方は?

 

★枚方えび★でもRO浄水器クロノスレインを導入しました。

 

高価な浄水器なので事前にネットで情報収集もしたのですが、分からない点も多く、購入して初めて分かったこともありましたので紹介したいと思います。

 

これから購入を考えている人は是非参考にしてください。

 

 

そもそもRO水って何?という人は次の記事を参考にしてください。

 

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RO浄水器クロノスレインとは?

 

RO浄水器クロノスレインは1日に680リットルのRO水を作ることができるのが売りの浄水器です。
アクアリストの間ではかなり有名な浄水器で、多くの人が使っていますので安心の商品です。

 

早速、商品が届いて梱包を開けた状態が次の写真です。

 

 

そして、クロノスレイン本体ですが、これが意外にでかい!

 

横にティッシュボックスを立ててみました。

 

 

しかも重さもかなりもので、後で紹介する加圧ポンプも取り付けると相当な重さになります。

 

中に入っている説明書はこんな感じです。

 

 

クロノスレインの設置

 

では、まずクロノスレインの設置場所を決めましょう。

 

僕は、自宅とは別に敷地内にエビ部屋がありますが、エビ部屋には水道がありませんので屋外で使用しています。

 

家の中で設置する場合は、水道の位置とクロノスレインの置き場所を確認して設置作業を始めましょう。

 

ここでは屋外水栓を利用する設置方法を紹介していきます。

 

蛇口の形状を確認する

クロノスレインは、ホームページ等での紹介にもあるとおり、蛇口の形状によって取り付けができないものもありますので、その点は事前によく確認してください。

 

 

取付可能な蛇口でも、蛇口の形状によってキャップが数種類用意されていますので、説明書にしたがって取り付けます。

 

 

さて、僕はこのいずれも使わずに別の器具を使って設置しましたので、その方法をご紹介します。

 

まずは、設置したい蛇口はこれです。

 

 

屋外では多くの家庭が使っているタカギ製の散水栓のコネクタがついています。

 

今回はこの散水栓も生かしつつ、クロノスレインも使用しようといろいろ調べてみました。

 

↑コネクタを外した蛇口の形状はこんな感じです。

 

この蛇口を2つに分けて、一方は散水栓、一方はクロノスレインにつなぎたいわけですが、それを可能にしてくれるアイテムがこれです。

 

カクダイの自在パイプ切替弁です。

 

 

 

この器具を蛇口の先端を外して取り付けます。

 

必要な工具はレンチです。

 

レンチを使って、蛇口の先端を外します。

 

 

外したらこんな感じです。

 

 

ここに、自在パイプ切替弁を取り付けます。

 

取り付けたらこんな感じです。

 

 

二股に分かれているうち、正面側に散水栓を、サイドにクロノスレインを取り付けることになります。

 

正面側はレンチを使って簡単に散水栓を取り付けることができます。

 

サイドにはクロノスレインに同封されている器具を取り付けます。

 

先ほどの蛇口の数種類のキャップは使いません。

 

使うのは同封の切替コック(2mチューブ付き)です。

 

⇓これです!

 

この切替コックの先端を外しましょう。

 

 

この外したチューブの方が先ほどの自在パイプ切替弁サイド側に直接取り付けることができます。

 

⇓こんな感じです。

 

いかがですか?

 

蛇口の形状に関係なく、自在パイプ切替弁を取り付けることさえできれば、クロノスレインの設置ができる優れものです。

 

ここまでできれば、設置の半分ができたも同然です。

 

クロノスレインの仕組み

ここからはクロノスレインの仕組みを理解したうえで設置していきましょう。

 

まずは、水道水がクロノスレインをどのような過程を経てRO水になっていくのか見てみます。

 

クロノスレインでは4つのフィルターを通して、RO水が生成されます。

 

4つのフィルターとその他のアイテムは次のとおりです。

 

なお、加圧ポンプはあとで説明しますが別売りアイテムです。

 

 

では、水道水が通る順番にフィルターの役割を見てみましょう。

 

①セディメントフィルター

 

セディメントフィルターは大きな汚れを除去するフィルターで、主に鉄さび、チリ、ホコリなどを除去します。

 

フィルターの交換頻度は半年が目安で、最初に通水するフィルターですのでこのフィルターをこまめに交換することで、後ろのフィルターの寿命が長くなります。

 

逆にセディメントフィルターの交換を怠ると、後ろの高価なフィルターの寿命が短くなりますので注意しましょう!

 

②カーボンフィルター

 

カーボンフィルターは活性炭フィルターで、濁りや塩素、トリハロメタンなどを除去します。

 

塩素が出てくると寿命です。

 

③R/Oメンブレン

 

R/Oメンブレンは、逆浸透膜で水以外のほとんどの物質を通さない特殊フィルターです。

 

これによりほとんどの不純物資が除去されます。

 

④DIフィルター(イオン交換樹脂)

 

DIフィルターは、R/Oメンブレンで除去しきれなかったケイ酸・リン酸・硝酸塩などを除去します。

 

これらはコケの原因となる物質で、このフィルターを通すことによりTDS数値はゼロもしくはゼロに近くなるRO水が出来上がります。

 

なお、フィルターの交換はこちらで紹介しています。⇓

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そして、水の流れはこんな感じです。

 

 

①水道の蛇口から出た水道水はハードチューブを通って、セディメントフィルターの後ろにつながります。

 

②セディメントフィルターでろ過された水は、セディメントフィルター正面のハードチューブを通ってカーボンフィルターの後ろにつながります。

 

③カーボンフィルターでろ過された水は、加圧ポンプ(別売)を介して

 

④R/Oメンブレンへとつながります。

 

⑤R/Oメンブレンでろ過された水はDIフィルターの後ろにつながり

 

⑥DIフィルター正面からRO水が、R/Oメンブレンの正面右端チューブから不要な水が排水されます。

 

お分かりいただけましたか?

 

クロノスレインによって、水道水からRO水が生成される道のりはざっとこんな感じです。

 

すべてのチューブをつなげて、蛇口をひねればRO水が作成できますが、適切に不純物を除去するには適度な水圧が必要となります。

 

最も適度な水圧は60psiという数値です。

 

水圧は本体に設置されている水圧計を見れば分かります。

 

水圧が足りないと、不純物が除去できないだけでなくフィルターの寿命も縮めますので注意してください。

 

もし、水圧が足りないようであれば別売りの加圧ポンプを準備してください。

 

僕は水圧を確認する前に、念のため加圧ポンプも準備しましたが、結果的にポンプがないと水圧が足りませんでしたので準備しておいてよかったです。

 

加圧ポンプの取付

では、加圧ポンプの取付を説明しましょう。

 

 

まず、箱を開けるとこんな感じです。

 

 

大きさはそれほどありませんが、なかなかの重さがあります。

 

なお、加圧ポンプは電源が必要ですので、クロノスレインを設置する際には電源のことも考えながら設置場所を検討してください。

 

この加圧ポンプをクロノスレイン本体に取り付けますが、加圧ポンプを取り付ける位置はクロノスレイン本体左側に引っ掛けるように設置します。

 

まずは加圧ポンプを付属の取付板にドライバーを使って取り付け、本体取付への準備を行います。

 

 

こんな感じで簡単に取付できます。

 

次に、加圧ポンプをクロノスレイン本体に取り付けるために、本体の一部を取り外さないといけません。

 

写真のようにR/Oメンブレンの固定部分と、DIフィルターのネジを取り外します。

 

⇧取外し前はこんな感じ

 

R/Oメンブレンは半円状のプラスチック枠で固定されていますので、それをいったん外します。

 

 

DIフィルターは上部でネジ4本で固定されていますので、外側の2本を外します。

 

 

加圧ポンプはネジを外した2か所の穴に取り付けます。

 

 

こんな感じで加圧ポンプを本体に引っ掛ける形で、加圧ポンプのネジ穴ごと先ほど外したネジで固定します。

 

最後に、外したR/Oメンブレンを固定すれば設置完了です。

 

TDSモニターの取付

次にTDSモニターを取り付けましょう。

 

 

取り付け方は説明書にあるとおりです。

 

TDSモニターは2か所でTDS数値を計れるようになっています。

 

ここでは文字で説明するよりも写真を見ていただいた方が分かりやすいかもしれません。

 

 

まずIN側ですが、上の写真のようにR/Oメンブレンから出てDIフィルターに向かうチューブに接続しています。

 

すなわち、INではDIフィルターに入る着前の水のTDS数値が分かるということになります。

 

続いてOUT側です。

 

 

こちらはDIフィルターを出て生成されるRO水が通るチューブに接続されています。

 

このように「IN」と「OUT」はクロノスレインの最終フィルターであるDIフィルターを基準に、入る前の水を「IN」、出ていく水を「OUT」としてそのTDS数値が分かるようになっているわけです。

 

では、この「IN」と「OUT」のTDS数値で何が分かるか?

 

「IN」はR/Oメンブレンを出たばかりの水ですので、R/Oメンブレンがどの程度機能しているのかが分かります。

 

ちなみに僕が計ったところ3ppmという数値で安定しました。

 

 

説明書によると5~7ppmが標準値で、15ppmになると限界値としてR/Oメンブレンの寿命がきたことが分かります。

 

次に「OUT」ですが、こちらはDIフィルターを出て最終的なRO水のTDS数値ですので当然、「0(ゼロ)」が望ましい数値です。

 

実際にやってみたところ、無事に「0」を示しました。

 

クロノスレインでRO水をつくろう

 

設置が完了したら、ハードチューブをつなげて蛇口をひねれば簡単にRO水が生成できます。

 

チューブのつなげる箇所は間違わないようにしてください。

 

上で説明した、水の流れを参考にしていただければつなぎ方は間違わないと思います。

 

また、チューブを差し込むときには奥まで差し込んでください。

 

簡単に差し込めますが、さらに力を加えて置くまで差し込むようになっていますので注意してください。

 

通常の作業は、

 

すべてのチューブをつなげる

→蛇口をひねる

→本体に水がいきわたったら加圧ポンプの電源を入れる

 

という順番で行います。

 

最後に加圧ポンプの電源を入れるのは、ポンプが空回しにならないようにするためです。

 

よって、作業を終了するときは一番初めにポンプの電源を切ることから始めます。

 

慣れれば簡単ですが、クロノスレイン本体を購入したときやフィルターを交換してときに限って「初期通水」という作業が必要ですので、ご紹介します。

 

初期通水

クロノスレインを購入時またはフィルターを交換した際には必ず初期通水が必要になります。

 

使用前のフィルターは安定度が低く、不純物が付着していたりするので、他のフィルターに負担をかけないようにフィルターごとに通水(排水)作業をする必要があります。

 

初期通水が必要なのはカーボンフィルター、R/Oメンブレン、DIフィルターの3つのフィルターです。

 

カーボンフィルターの初期通水

新品のカーボンフィルターには活性炭粒子が付着しているため、その粒子が後続のフィルターに行きわたらないように初期通水により排出してしまいます。

 

クロノスレインの水の流れが分かっていれば簡単な作業で、上記の水の流れ③を切断してしまいます。

 

③はカーボンフィルターからR/Oメンブレンとつながるチューブですので、R/Oメンブレン側のチューブを外してしまい、カーボンフィルターから一定時間水を排出します。

 

 

排出作業の関係でチューブの色が青色ですが、先ほどの写真では③の黄色いチューブと同じ位置にあるものです。

 

排水するとこんな感じで黒い水が出てきます。

 

 

説明書によると20リットルくらい排水するようですが、20リットル排水しても黒い水が出てる場合はしばらく続けてみてください。

 

R/Oメンブレンの初期通水

同じくR/Oメンブレンにも初期通水が必要です。

 

本体裏側のDIフィルターへとつながる⑤のチューブのDIフィルター側を外して排水作業をしてください。

 

説明書によれば排水時間は2時間程度で、TDS数値が安定(標準値は5~7ppm)すれば通水作業は終了です。

 

DIフィルターの初期通水

DIフィルターの初期通水は、すべてのチューブをつなぎ試しにRO水を生成してみることを意味します。

 

ここで生成されるRO水のTDS数値が「0(ゼロ)」ならDIフィルターの初期通水は終了です。

 

RO水から好みの飼育水を作ろう

 

RO水ができたら、自分だけの飼育水を作りましょう。

 

RO水はレッドビーシュリンプにとって有害なものをすべて除去してくれています。

 

レッドビーシュリンプに有益な添加剤を加えて自分好みの飼育水を作り上げてください!

 

ちなみに、添加剤なしでRO水のみを使用するのは危険ですのでやめてください。

 

そのあたりはこちらの記事に書いてますのでご覧ください。

 

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RO水をバケツ等にためる

クロノスレインは1日に680リットルのRO水が生成できることが売りですが、単純計算すると1時間に30リットル弱のRO水が生成できることになります。

 

★枚方えび★ではすべての水槽の水換えを行った場合、150リットルくらい必要となりますので、5時間強の時間がかかります。

 

外気温が低いとさらに時間がかかるようですし、水圧が安定せずに低くなると生成できるRO水も少なくなります。

 

このような事情から、★枚方えび★ではRO水をためるのはバケツでは量が不足しますので、ポリタンクの収納ボックスにためています。

 

なお、バケツまで付属のチューブでは長さが足りないという人はハードチューブ(耐圧チューブ)が別売りでありますので、あらかじめご準備ください。

 

 

長さはいろいろありますので、設置場所を考えて選んでください。

 

なお、ハードチューブでも太さが1/4インチと3/8インチのものがありますが、クロノスレインは1/4インチですのでお間違いなく。

 

ハードチューブどおしをつなぐ便利なアイテムもありますよ。

 

 

この容器に約8割くらいRO水がたまると100リットルの計算です。

 

添加剤を入れる

容器にたまったRO水に添加剤を入れます。

 

現在、★枚方えび★ではアラガミルクとミネチャージでTDSを調整しています(今後、ほかも試していこうと思いますが、しばらくはこの2つで調整する予定です。)。

 

 

ミネリッチも多くのアクアリストに人気です。

 

濃縮天然ミネラル液 ミネリッチアクアーレ
created by Rinker

 

★枚方えび★では、この2つの添加剤を使ってTDS数値を100~120ppmに調整しています。

 

レッドビーシュリンプにとって一番良いTDS数値が決まっているわけではありませんが、多くが100~150ppmくらいで調整していることが多いと思います。

 

加える添加剤の量によってTDS数値は変化しますので、いろいろ試してみていかがでしょうか。

 

なお、TDSについては次の記事で詳しく説明しています。

 

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なお、TDS数値を計測する場合、添加剤を入れた直後に計測しても添加剤が均等に混ざっていない可能性がありますので、上の写真のようにスポンジフィルターを使って一定時間エアレーションをしています。

 

添加剤が均等に混ざり合った頃を見計らって計測しましょう。

 

RO水を保管する

好みのTDS数値に仕上がったRO水は、そのまま足し水、換え水に使用することができますが、★枚方えび★では出来上がったRO水をポリタンクに入れて1週間程度、飼育部屋で保管しています。

 

一番大きな目的は、出来上がったばかりの水は水槽の水と水温差が大きく、そのまま使うとレッドビーシュリンプに大きな負担があるからです。

 

特に夏場や冬場の水温の差は大きいので注意が必要です。

 

経験上、そのまま使用してもバタバタとレッドビーシュリンプが死んでいくことはありませんでしたが、現在は水温を合わせてしようしています。

 

写真は、ポリタンクに小分けにしている様子です。

 

水温を合わせたら、ポリタンクからバケツ等に水を移して換水作業をしています。

 

このバケツは非常に便利ですよ。

 

 

まとめ

 

今回は、RO水浄水器クロノスレインの設置から使い方を紹介しました。

 

まだ僕も導入したばかりですので、もっとよい使い方があれば後日紹介させていただきます。

 

▶クロノスレイン本体は大きく重さもあるので設置場所に注意
▶取付可能な蛇口は事前に確認すること
▶RO水生成に時間はかかるが放置しておけることもメリット
▶場合によっては、出来上がった水の保管場所の確保も必要