▶「抱卵の舞」って聞いたことがあるけど何のこと?
▶レッドビーシュリンプを繁殖させるコツは?
レッドビーシュリンプは生後どのくらいから繁殖行動をするの?
レッドビーシュリンプはだいたい生後3か月くらいで、体長が1.5センチくらいになると繁殖できるサイズとなります。
このくらいの大きさになると、オスは交尾のためにメスを追い掛け回すようになりますし、メスは交尾に成功するとお腹にたくさんの卵を抱える「抱卵」状態となります。
レッドビーシュリンプの抱卵の舞って何のこと?
「抱卵の舞」とは、交尾のためにオスがメスを追い掛け回す様子をいい、レッドビーシュリンプの繁殖行動の一種です。
この抱卵の舞を見ることで、「もうすぐメスが抱卵するのではないか」という期待させる行動でもあります。
レッドビーシュリンプの繁殖行動には様々な予兆があり、日々の観察で「そろそろ抱卵時期かな?」というメスの状態も分かってきたりしますので紹介します。
メスの卵巣が大きくなる
レッドビーシュリンプの卵巣は、頭と背中の境目くらいにあります。
普段はよく分かりませんが、繁殖が近くなってきたメスはこの卵巣が黒く大きくなってきます。
卵巣は、メスを上から見たときによく分かるかもしれません。
卵巣が大きくなったメスが脱皮をする
卵巣が大きくなったメスはほどなく脱皮をします。
この脱皮によって、メスは水中内にある種のホルモンを放出するといわれていて、このホルモンにオスが刺激されます。
そして、刺激されたオスが交尾をするためにメスを追いかけ回す行動が「抱卵の舞」です。
複数のオスがメスを追いかけるので、水槽の中はたくさんのレッドビーシュリンプが舞うように泳ぎます。
もし、抱卵の舞を見かけたら水槽の中をよく見てください。
メスが脱皮をした抜け殻が残っているかもしれません。
抱卵中のメスについて
メスは抱卵すると、お腹に20~30個くらいの卵を抱えます。
ただし、卵の数は、初めて抱卵する個体や抱卵しても脱卵する個体もいますので一概にはいえません。
抱卵直後のメスは、オスに追いかけられた影響か、元気なくじっとしていることが多いです。
数日たって、体力が回復してくると通常通りの動きが戻ってきます。
抱卵後、25日くらいで孵化(ハッチアウト)します。
この日数は水温と関係があり、25℃で25日程度といわれており、水温が低ければ日数はかかる傾向に、水温が高ければ早まる傾向にあります。
抱卵当初は黒っぽい色をしていた卵も、孵化が近くなるとレッドビーシュリンプらしい朱色になってくるので、この段階になるとそろそろだな~と楽しみになってきます。
⇓まもなくハッチアウトするメス
孵化が近くなると、メスは物陰に隠れてじっとしていることは多くなってきますよ。
意図的にメスを抱卵させることができるのか?
自然に抱卵してくれるのが一番ですが、なかなか抱卵してくれないこともあるんですよね。
そういったときに、何か工夫して、抱卵させることができないかと思うのではないでしょうか。
そんなあなたに、抱卵させるための方法を2点ご紹介です。
満月、新月の前日の水換え
実は、レッドビーシュリンプは満月と新月に抱卵しやすいと言われています。
満月と新月には月の引力が人にも様々な影響をするといわれていますよね~。
レッドビーシュリンプにもそんな影響が本当にあるのかもしれません。
また、換水も抱卵を誘うと言われています。
なかなか抱卵しなかったのに、換水によって水質に変化があり、抱卵を導くのかもしれません。
どちらも証明されたわけではないんでしょうけど、これまでの経験則からそのように言われているんだと思います。
そして、この2つの要素を組み合わせて、より抱卵の確立を上げるために、満月、新月の前日(または当日)に換水することで抱卵を誘発しようというものです。
この方法はおすすめです。
なぜなら、たとえ抱卵しなくてもレッドビーシュリンプに悪影響が全くないからです。
抱卵しないと悩んでいる人は試してみてください。
抱卵誘発剤を添加する
添加剤として抱卵誘発剤というものがあります。
これは高濃度のキトサン溶液で、意図的に抱卵の舞を誘発させる添加剤です。
これらの抱卵誘発剤を水槽に入れると、レッドビーシュリンプが誘発剤に反応して、突然、抱卵の舞が始まります。
これによってレッドビーシュリンプの抱卵を誘発するというのが抱卵誘発剤です。
抱卵誘発剤は入れてみると、突然、強い刺激を受けたレッドビーシュリンプが舞いだすので、レッドビーシュリンプにとって非常に刺激の強い添加剤であることが分かります。
だから★枚方えび★では、あまり多用はしていませんし、入れるときでも規定量よりも少なめに入れています。
抱卵はできる限り自然にしてもらうのが一番だと考えています。
レッドビーシュリンプが抱卵したあとに注意することは?
水質の悪化を避ける
レッドビーシュリンプは抱卵したあとであっても、別の水槽に隔離するなどの特別なことをする必要はありません。
そのまま同じ水槽で飼育できますので、管理が非常に楽です。
注意することは、水質の悪化です。
抱卵中のシュリンプは、雑菌などに対する抵抗力が低くなっていますので極力水質の悪化は避けなければなりません。
もし、フィルターが汚れているのであれば、フィルターの清掃は稚エビが産まれてからはできませんので、抱卵後、少し安定してきたころにフィルターの清掃をしておきましょう。
エサに関する注意点
水質の悪化は主にエサのやりすぎに起因することが多いので、気を付けましょう。
水質が悪化しやすい動物性のタブレットなどの頻度を少なくするなどエサのやり方にも工夫が可能です。
逆にエサ不足は脱卵の原因にもなりますので、水質悪化しない程度にエサは十分に与える必要があります(このあたりが難しいですね。)。
★枚方えび★のおすすめはケールです。
ケールはタブレットのように水中で飛散せず、ほうれん草よりも腐りにくいため、長期間、水槽の中に置いてあっても水を汚しません。
ただし、必ず無農薬のものが必要ですので、シュリンプ専用のケールなど信頼のあるところから入手しましょう(スーパーの野菜は無農薬であってもエビに無害とは限りません。)。
タブレットであっても硬めのくずれにくいものであれば水を汚しにくいでしょう。
隠れ家を十分に作ってあげる
抱卵したレッドビーシュリンプは物陰にじっと隠れていることが多く、そのための隠れ家をつくってあげることは必要です。
隠れ家の代表的なものは流木や水草などです。
水草は、初心者でも扱いやすいウィローモスがおすすめです。
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マジックリーフもその下で稚エビなどがじっとしている様子を見ますので良いのではないでしょうか。
⇩マジックリーフに群がるレッドビーシュリンプ。時間がたてば沈みます。
マジックリーフは熱帯地方に生息している植物の葉っぱで、水槽に入れることで水質を弱酸性にしたり有害物質を無害化してくれるありがたい葉っぱです。
また、長く水中においておくと、レッドビーシュリンプが時間をかけて食べているので、エサとしての役割も期待できます。
さらには抱卵個体や稚エビの隠れ家にもなるので非常におすすめです。
稚エビが産まれた後はどうすればいいの?
稚エビが産まれた後も、抱卵のときと同じく別に隔離する必要はありません。
稚エビは大人のエビと同じ水槽で大きくなっていきます。
また、孵化したメスは、その後しばらくすると卵巣が大きくなり、再び抱卵することが多いです。
何度も繰り返し抱卵と孵化を繰り返しますので、その分、体力を奪われ、寿命も短くなるのではないかと考えられます。
孵化後に隔離し、抱卵しない期間をつくることで寿命を長くするというブリーダーもいるようです。
産まれた稚エビをうまく育てることが憧れの爆殖につながりますので頑張りましょう!
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まとめ
レッドビーシュリンプを飼育する目的の一つに、繁殖させたいという人も多いのではないでしょうか。
抱卵したメスを見ると神秘的です。
抱卵したメスが一生懸命に新鮮な水を卵に送り込んでいる姿をよく目にします。
ぜひ、頑張って稚エビを増やしていきましょう。
▶抱卵の舞とは、抱卵準備のできたメスを多数のオスが追いかける様子をいう
▶メスが抱卵したときは水質悪化の防止と隠れ家の準備