▶爆殖させるにはどうすればいいの?
レッドビーシュリンプの爆殖ってどんな状態⁈
「爆発的に繁殖する」状態をシュリンプの世界では「爆殖」といったりしますが、簡単に言えば、たくさんの稚エビが産まれてたくさんエビが増えた状態をいいます。
さらに単に数が増えるだけでなく、親エビ、若エビ、稚エビの各世代が均等に育っている状況が最も理想的な状態だろうと思います。
写真のような水槽を目指してがんばりましょう!
爆殖への道① 飼育用品
飼育用品ですが、これはレッドビーシュリンプを通常飼育するものと大きく異なることはありません。
飼育用品に関しては、こちらをご覧ください。
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爆殖への道② ソイル
爆殖を目指すためのソイルは栄養系ソイルをおすすめします。
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爆殖への道③ 添加剤
添加剤についてはいろいろ考え方はあると思います。
栄養系ソイルを使用していれば稚エビに必要な栄養分はありますので、添加剤も必要ないという考え方もあるかもしれません。
★枚方えび★でも添加剤は使用しており、特に爆殖に必要な稚エビ生存のためにミネラルとバクテリア粉は毎日欠かさずに与えています。
ミネラル
ミネラルはレッドビーシュリンプにとって必要な栄養で、特に脱皮をするのにはミネラルが必要とされています。
レッドビーシュリンプは脱皮によって体を大きく成長させていきますので、ミネラル不足は脱皮不全を引き起こし、死亡する原因にもなります。
★枚方えび★では次の「ミネラルっ粉」というミネラルを使用しています。
ただ、★枚方えび★では水槽が多く使用する量も多いので、節約のために「ミネラルっ固」という商品を砕いて粉にして与えています。
ミネラルっ固の説明書では、塊のままで水槽に投入すれば徐々に溶け出していくとなっていますので、試してみたのですが、粉にして与えた方がよく溶けますし、レッドビーシュリンプの活性も明らかに上がりました。
量は規定量で大丈夫ですが、少々多めに与えても問題ありません。
バクテリア粉
バクテリア粉は主に水槽の立ち上げ時に使用する印象があると思いますが、シュリンプ用のバクテリア粉は立ち上げ時だけでなく、日々の水質管理や稚エビの生存率アップにも使用できるものがあります。
★枚方えび★で使用しているバクテリア粉は「Bee MAX」という商品です。
産まれてすぐの稚エビは大人のエビと違い、人工のエサやほうれん草やケールなどを食べることができません。
産まれてすぐの稚エビのエサは水中内の微生物ですので、微生物がいなければ稚エビのエサがないということになります。
当然、これら微生物にとっても水中にエサがなければ生きていくことができませんが、微生物のエサになるのが「Bee MAX」というバクテリア粉です。
つまり水中の微生物のエサとしてバクテリア粉を与え、稚エビの生存を高めているということになります。
「Bee MAX」にはそのほかにも脱皮不全の予防にも効果があるようです。
この「Bee MAX」を与えると稚エビがついばんでいる様子も見られることから,一時的なエサとしての効果もあるのかもしれません。
「Bee MAX」も少々与えすぎても水を汚すことはないので問題ありません。
爆殖への道④ セッティング
飼育道具が準備できたらセッティング面での注意点です。
★枚方えび★では次のことに気をつけてセッティングしています。
水流が強すぎない
レッドビーシュリンプの飼育にはある程度の水流が必要だと考えていますが、あまりにも水流が強すぎると稚エビはその水流にたえられずに死んでしまうことがあります。
よって、ほどよい水流を作り出すためにフィルターの場所やエアポンプの強さなどを調整してあげてください。
特に外部フィルターを使用する場合は、ろ過能力に比例して、排水の勢いも強いので適度に調節したり,排水口を水槽の壁面にあてて,水流の勢いを殺してやる必要があります。
ほどよい水流を判断するのはバクテリア粉を投入して判断しています。
バクテリア粉が水中でほどよく流れていれば問題ありませんし,舞うように流れて入れば少し水流は強いのかもしれません。
止水域をつくらない
止水域とは流水域の対義語で、水流がなく水が停滞している状態です。
止水域は水が流れていない場所ですので、汚水がその場所でとどまり、雑菌が繁殖する危険区域です。
そのような場所に抵抗力の少ない稚エビが入り込んだら・・・・
だから、ほどよい水流が水槽内のあらゆる場所に行き届いている状況がレッドビーシュリンプの飼育に適した環境といえるのです。
止水域で注意したいのが大きな流木を置いたときです。
流木に大きな空洞なんかがあり、その場所には全く水流が届かないような場合は止水域となる危険がありますので、流木の大きさや形状にも気を使ってみてください。
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隠れる場所をつくってあげる
セッティングの際に気を使うのが、メスの個体や稚エビの隠れ家をつくることです。
レッドビーシュリンプも人間と同じくストレスには弱い生物です。
稚エビは生まれてすぐにたくさんの大人のエビと同居するわけであり、大人のエビは稚エビに気を使って生活をしているわけではありません。
水槽をよく見ていると、大人のエビに稚エビが踏まれそうになっていることがあります。
何気ないワンシーンですが、稚エビにとっては想像を絶するようなストレスではないでしょうか。
また、たくさんの稚エビが水草であるウィローモスの間でじっと身を潜めていることがよくあります。
このような安全な場所が稚エビにとっては必要不可欠なわけです。
また、メスにとっても隠れ家は不可欠です。
通常の状態であればメスは安全なのですが、もっとも危険なのが抱卵直前にする脱皮した後です。
交尾の準備が整ったメスは、脱皮と同時にある種のホルモンを放出し,それに反応したオスが交尾のためにメスを追い掛け回します。
いわゆる「抱卵の舞」というやつです。
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脱皮したばかりのメスは、殻が柔らかく体力も少なくなっており、それをねらってオスは交尾をするわけですが、あまりに多数のオスに追い掛け回されると、そのまま死んでしまうこともあります。
このように抱卵前のメスにとっても、抱卵後のメスにとっても隠れ家は必要不可欠といえます。
また卵が孵化するときも、メスは物陰や水草の間に隠れていることが多いので、適度に隠れる場所はつくってあげましょう。
爆殖への道⑤ レッドビーシュリンプの投入
セッティングが終わったらいよいよ生体の投入ですが、爆殖を目指すには次の条件でレッドビーシュリンプを選んでみましょう。
成熟した個体を選ぶ
レッドビーシュリンプは生後3か月くらい経てば、大きさでいうと1.5㎝くらいになると繁殖できる大人となります。
ただし,特に1.5㎝程度のメスで抱卵が未経験の場合、抱卵しても抱えることのできる卵の数が少ない傾向があります。
また、脱卵してしまうメスも珍しくありません。
大きさが2㎝以上の成熟したメスであれば卵もたくさん持ちますので、稚エビの数にも期待が持てます。
小さめのメスでもいずれたくさん卵を持つようになりますので、ゆっくり繁殖を楽しみたい方はそれほど大きさを気にすることもないかもしれません。
ただ、抱卵経験のない1.5㎝程度の若い個体はそもそもオスかメスかの区別もつかないかもしれませんね。
オスとメスの比率に注意! 黄金比は3:7
繁殖のためには当然、オスとメスがいなければならないわけですが、その割合にも注意が必要です。
一般的に、繁殖に適したオスとメスの割合は、オス3とメス7といわれています。
この割合については僕もいろいろ試しましたが、結論的には非常に納得できる数字でした。
まず、オスの方が多い水槽は間違いなく爆殖には向きません。
これはメスが少ないことで抱卵する個体が少なく、稚エビの数に期待できないという理由も当然あります。
でもそれだけでなく、先ほど話をしたように、抱卵前に脱皮をしたメスはオスに追い掛け回されるわけですが、水槽内を半数以上占めているオスに追い掛け回されるとひとたまりもありません。
このような場合、メスは体力を奪われ死に至ることになります。
ただでさえ数少ないメスがどんどん死に至るという悪循環が発生してしまい、最終的にはメスがいなくなる可能性も出てきます。
では、メスは多ければ多い方が、オスは少なければ少ない方がよい気もしますが、これは総個体数が何匹かというのにもよります。
例えば、オス1匹メス9匹だとうまくいかない可能性が高くなります。
メスの抱卵準備期にその1匹のオスが交尾を求めなければ抱卵はしません。
求めても実際に交尾に成功しなければ、これも抱卵しません。
同じ割合でもオス3匹メス27匹であれば、抱卵するメスも出てくるかもしれません。
それでもやはり繁殖に最適な割合とはいい難いですね。
メスに負担が少なく、交尾もしやすい最適な割合がオス3メス7という結論になったんだろうと思います。
★枚方えび★でも選別の際は、この数字を目安にしています。
爆殖への道⑥ 稚エビを生かす
これまでの準備をし、レッドビーシュリンプに最適な水をつくって飼育していれば何匹かのメスは抱卵すると思います。
もし、全く抱卵するメスが出てこない場合はレッドビーシュリンプの状態を確認してみてください。
多くのレッドビーシュリンプが前足を忙しく動かしている(ツマツマしている)状態であれば問題ありません。
オスを少し追加してみるのもひとつの方法ですが、レッドビーシュリンプが元気であれば我慢強く待ってみるのもいいと思います。
半数以上のレッドビーシュリンプがつまつませず、じっと動かないようであれば水質に問題があるのかもしれません。
換水などで水質改善に努めてみてください。
さあ、抱卵して無事に稚エビが産まれたら、あとはこの稚エビを頑張って育てることです。
いつの間にか稚エビがいなくなった・・・という話は珍しい話ではありません。
稚エビを育てて次世代につなげる・・・これが爆食というやつですよね。
頑張りましょう!
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まとめ
爆殖への道、いかがでしたか?
こんなにたくさん気を使うのか?と思われるかもしれませんが、実際は何の気を使わなくても爆殖する水槽は爆殖します。
かえって手を加えすぎてよくないこともありますので、もし、どうしてもうまくいかないようなときに思い返してみてください。
▶ソイルは栄養系ソイルがおすすめ
▶フィルターは稚エビを吸い込まないものを選ぼう
▶セッティングは、水流や隠れ家を意識しよう
▶オス3メス7の割合を基準に
▶最後は稚エビを育て上げる!